ネガティブ関連
不評被害

レピュテーションリスク回避のための唯一の方法

2023年04月20日

読了時間目安: 4分30秒


現代では口コミやつぶやきといった個人の小さな声が非常に大きな影響力を持つことがあります。
レピュテーションとは、企業の商品やブランドに対しての『評判』を意味します。
そこから派生したレピュテーションリスクと呼ばれるものが、現代では非常に重要になっています。
この記事ではレピュテーションリスクが発生する原因とその対策方法について解説します。

レピュテーションリスクとは

レピュテーションリスクとは企業に対してネガティブな意見が広がってしまった結果、企業の信用やブランド価値が低下し、損失を被ってしまうリスクのことです。

我々は普段、商品を比較したり、お昼の飲食店を探したりするときに口コミを利用します。
新卒で入る会社の評判なども調べることがあるでしょう。

このように現代では、SNSなどを使用した個人の発言力も無視できなくなっており、小さなミスや不適切行動は思わぬ火種となり、多大な損失に繋がりかねません。

レピュテーションリスクになる原因

レピュテーションリスクが発生しかねない原因と事例について説明します。

【製品やサービスに関する事例】

使用していたユーザーからネガティブな口コミが寄せられる可能性があります。

商品の価格やブランドイメージから、ユーザーが想定していた商品の質やサービス内容と、実態にズレが生じていた際に起きてしまうケースが基本です。

その他にも接客態度が悪かったり、同価格帯で競合他社の方が優れていたりすると、すぐにSNSなどでつぶやかれ、拡散されていきます。

【内部告発】

法にそぐわないブラック企業や従業員を手荒に扱っていると、耐えかねた従業員が週刊誌やインターネットに実情を告発してしまう可能性があります。

企業に求められるコンプライアンス意識は最高潮に達しており、守って当たり前という風潮です。

そんな中、時代や法にそぐわない企業運営をしていると実情が内部告発され、企業としての信頼を失うことになります。

顧客のことを考えるのも重要ですが、まずは、従業員にとって適切な運営がなされているかという視点も重要です。

【不祥事】

社員の不祥事もレピュテーションリスクに大きく関わってきます。

10年ほど前は、アルバイト店員の不適切行為の流出などがありましたが、現在では役員や社長といった地位の不祥事も目立ってきました。

ジェンダー問題やハラスメントについての関心が大きくなり、それまでは泣き寝入りするしかなかったパワハラやセクハラといった行為が横行していたことが世間にも明らかになってきたためです。

こういった不祥事は世間に与える影響も大きく、企業としての責任が問われてしまうところです。

インターネットの普及により、不祥事の事実はいつまでも残るので対処を適切にしないと大きなレピュテーションリスクになります。

リスク回避のための対策方法

【レピュテーションマネジメントを行う】

レピュテーションマネジメントとはレピュテーションの回復や風評被害や悪い評価の対策などをすること全般を指します。

レピュテーションリスクを放置しているといつ爆発するか分かりません。

また、爆発後も放っておけば収まるものではありません。

企業としてどういった運営をしているのか、どのような改善をするのかを明確にすることで信頼の回復が見込めます。

以前あった事例としては、一度内部告発で企業が炎上するも、内部告発した人が事実を捻じ曲げて告発していたということが後の企業の対応で判明し、その後はむしろ企業側の信頼性があがったということがありました。

この企業は元々悪いことをしていたわけではありませんが、内部告発を受けて、しっかりと対応したからこそ、早期の問題解決と信頼回復が実現したわけです。

【攻めのレピュテーションマネジメント】

攻めのレピュテーションマネジメントとは平常時に行う企業と消費者のコミュニケーションのことです。

もともと評価が低下していない企業がさらに評価の向上を図ることで、信頼度や売上の向上を図ります。

SNSやプレスカンファレンスなどを利用して会社の評判を高めることで、サイレントクレーマーの減少などの副次的な効果も期待できます。

【守りのレピュテーションマネジメント】

守りのレピュテーションマネジメントとは不祥事や風評被害を受けた際に一度下がってしまった企業の評判を取り戻す取り組みのことです。

上記で挙げた内部告発に対しての企業の対応などがこれに該当します。

企業にとって思わしくないことが発生した際には、適切で迅速な対応と真面目な態度が重要です。

金銭的損害が発生する可能性を顧みずに、消費者優先で評判を回復した企業があります。

古い事件にはなりますが、1982年に第三者によって某製薬会社が販売している鎮痛剤に毒物が混入されました。

犠牲者も発生し、会社としての信頼が地に落ち、破産寸前まで追い込まれました。
しかしその企業は迅速で的確な対応を見せたのです。

商品の自主回収にはじまり、当時のメディアをフル活用して警告を出した結果、莫大なコストこそかかったものの、2ヶ月後には事件前の売上の80%まで回復させました。

更にはコンプライアンス意識の高さも評価され、結果的に評判が上がるほどでした。

この事件から学べることは2つあります。

それは、企業としては何も悪くなくても、一つの事件で破産寸前まで追いやられるということ。

もう一つは事件に対して迅速で的確な対応は、企業イメージを上昇させるきっかけにもなりうるということです。

いつ何が原因で発生するかも分からないので、避難訓練のように、問題発生時のフローを確認しておいたり、模擬訓練を行うことも重要です。

まとめ

レピュテーションリスクの火種は、SNSが普及した現代では至る所に存在します。

日常的にも口コミを参考にして新商品を買ったり、似たような商品の比較をしたりしているので、企業としての信頼性も同じように口コミなどのレピュテーションで左右されます。

常日頃からレピュテーションマネジメントを徹底し、ビジネスにどのような影響を与えているのかを認識しておく必要があります。