誤爆・情報漏洩

誤爆とは?LINEやツイッターの誤爆防止対策や対処法を解説

2023年04月20日

読了時間目安: 6分


「誤爆(ごばく)」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。誤爆は、本来送るべき相手ではない人に誤ってメッセージを送ってしまう行為のことで、インターネットにおけるスラングとして広く使われている言葉です。
昨今、ツイッターやインスタグラムなどのSNSをはじめ、友人や家族との連絡方法としてLINEを使っている人は多く、なかには仕事の連絡方法として個人のLINEを兼用しているケースもあるでしょう。
友人や家族に対するメッセージを上司に送ってしまうなど、誤爆の種類は様々ですが、ひとつ間違えるとネット炎上にもつながる危険があります。
そこでこの記事では、誤爆について意味や影響、さらには誤爆防止策、誤爆に対する対処法などについてわかりやすく解説します。

誤爆とは

誤爆とは、テキストやスタンプといったメッセージによるやり取りの機能を持つアプリにおいて、送信相手を間違えてメッセージを送ってしまうことです。 元々は、誤った場所を爆撃してしまう行為を指す軍事用語として使われていましたが、インターネット上のスラング用語として使われるようになり、昨今ではメッセージを間違えて送信してしまうことを俗称として「誤爆」と呼ぶようになりました。 誤爆が起こりやすい代表例として、LINEやツイッター、インスタグラムといった利用者が多いプラットフォームが挙げられ、なおかつプライベートと仕事のアカウントが混在しやすいもので起こりやすいことが特徴です。 誤爆の具体例には、家族や友人に対するメッセージを上司や同僚に送ってしまったり、愛人に送るメッセージを奥さんに送ってしまったりというものが多く、誤爆の種類や内容は様々です。 なかには、子どもが親のスマートフォンを勝手に操作してしまい誤爆する可愛いらしいケースもありますが、企業の公式アカウントを運用している担当者が、仕事の愚痴を公式アカウント上で発信してしまったというようなケースもあり、誤爆がきっかけで企業の評判や信頼が失墜してしまうこともあります。 誤爆は、家族や友人などの個人間では笑い話程度で収まることがほとんどですが、企業が運用している公式SNSなどにおいては極めて注意が必要なことと言えます。 多くの企業がSNSアカウントを運用している昨今、ネット炎上のリスク管理として誤爆対策にも力を入れる必要が問われています。

誤爆による影響

誤爆とは何かが分かったところで、誤爆が与える影響についても理解しましょう。誤爆による主な影響として以下のようなことが挙げられます。
  • ・ネット炎上
  • ・関連先との関係悪化
  • ・誤爆離婚
上記それぞれについて解説します。

【ネット炎上】

誤爆の影響として最も警戒しなければならないことが「ネット炎上」です。ネット炎上は個人間の誤爆では起こりにくいものの、企業の公式アカウントで起こりやすい特徴があります。 ネット炎上につながりやすい誤爆のケースとしては以下のようなものが挙げられます。
  • ・公式アカウント上で誹謗中傷に該当する内容を発信してしまう
  • ・公式アカウント上で上司や同僚の愚痴を発信してしまう
  • ・公式アカウント上で自社製品や仕事内容に対する批判を発信してしまう
  • ・取引先との連絡を公式アカウントでやりとりしてしまう
  • ・外部に漏らしてはいけない内容を公式アカウント上で発信してしまう
ネット炎上につながるケースは様々ですが、企業の公式アカウントは不特定多数のフォロワーがリアルタイムで見ている可能性があり、メッセージや投稿内容を即座に削除してもフォロワーによってスクリーンショットを撮られて、拡散されてしまう可能性を否定できません。事実、過去に起きたネット炎上では、削除したはずの投稿内容がスクリーンショットとして拡散され、企業による訂正が阻害されることも起きています。たった1件の誤爆が社会問題にまで発展する恐れもあることから、誤爆はネット炎上の危険性を含んでいることを理解することが大切です。

【関連先との関係悪化】

誤爆の影響として「関連先との関係悪化」もあります。個人間においては、友人関係や恋愛関係が破綻してしまうきっかけになる一方、企業の公式アカウントでは取引先や関係企業からの信頼失墜を招く恐れがあります。 誤爆によって企業と取引先の関係が明るみなると不都合が生じることも考えられ、人間関係だけでなく企業間での信頼関係にも悪影響が生じるかもしれません。

【誤爆離婚】

誤爆の影響には「誤爆離婚」と呼ばれるものもあります。LINEのやり取りにおいて誤爆がきっかけで夫婦が離婚に至るケースです。 先述した「関連先との関係悪化」に通ずる点もありますが、誤爆によって相手からの信頼を失う危険性があることを理解するうえでも知っておいてもよいでしょう。

誤爆した場合の対処法

誤爆とは何かを理解するうえで、その対処法についても合わせて把握しておくことが大切です。 誤爆の対処法として以下のようなことを参考にしてください。
  • ・削除と謝罪
  • ・報告
  • ・再発防止策の提示

【削除と謝罪】

誤爆してしまった場合の対処法で最も重要なのが「削除と謝罪」です。仮に、企業の公式アカウントで誤爆してしまった場合、速やかに投稿内容を削除すると同時に謝罪内容を投稿しましょう。 また、なぜ誤爆が起きたのか「原因」についても誠実に述べることで謝罪に対する真摯な対応が伝わりやすくなります。 この際、言い訳や誤魔化しとして捉えられてしまうような「乗っ取られた」や「何者かによるいたずら」といった内容は含めず、迅速かつ誠実な謝罪投稿を心がけるようにしてください。

【報告】

誤爆が起きた場合、上司や関係先に報告することも大切です。報告は、個人間や企業間を問わず重要で、誤爆してしまった相手に素直に報告し、謝罪しましょう。 例え、投稿内容を削除したり、送信取消をしたりしても報告することを忘れないでください。LINEやツイッター、インスタグラムでは証拠隠滅は実質的に不可能と考え、誠実に対応することが望ましいでしょう。

【再発防止策の提示】

誤爆が起きてしまったことに対する「再発防止策」や「今後の対応」なども合わせて発信しましょう。 起こしてしまった事実を謝罪するだけでなく、今後の対策を公表することで誠意が伝わり、ネット炎上につながる確率を抑えることにもつながります。

LINEやツイッターの誤爆防止策

誤爆とは100%防ぎようがない人為的ミスである一方、誤爆が起きる確率を最小限に抑えることは可能です。 とりわけ、誤爆が起こりやすいLINEやツイッターなどで出来る誤爆防止策は以下のようなものがあります。
  • ・トーク画面の背景を変える
  • ・表示名を変更する
  • ・送信キー設定を変更する
  • ・スタンプレビューを変更する

【トーク画面の背景を変える】

誤爆防止策としておすすめなのが「トーク画面の背景を変える」ことです。とくにLINEで有効な方法とされており、企業の公式アカウントを運営している際は対象アカウントの背景画像だけを区別することで識別しやすくなります。

【表示名を変更する】

誤爆を防ぐ方法として「表示名を変更する」ことも役立ちます。対象アカウントだけは明確に区分されるような名称に変更することで、他アカウントとの識別がしやすくなります。

【送信キー設定を変更する】

誤爆防止策として「送信キー設定を変更する」方法もあります。具体的には、Enterキーを押すだけでメッセージが送信される機能をオフにすることです。 この設定を使えば、メッセージ作成途中でEnterキーを押してしまっても、メッセージは送信されないため、誤爆防止に役立ちます。

【スタンプレビューを変更する】

誤爆を防ぐ方法に「スタンプレビューを変更する」も挙げられます。この機能は、スタンプ送信の前にスタンプのプレビューができるもので、送信前の再確認の意味があります。これにより、上司や取引先、顧客に対し誤って不適切なスタンプを送ってしまうような事態を防ぐことが可能です。

企業が取り組むべき誤爆防止策

誤爆とは様々なケースが想定されるため、企業の担当者はリスク管理として以下の方法を取り入れるようにしましょう。
  • ・ダブルチェック
  • ・構成と投稿を別人物に設定
  • ・端末を分ける

【ダブルチェック】

誤爆を起こさないためには「ダブルチェック」の体制を構築しておきましょう。投稿前に必ず上司や同僚によるチェックを受ける仕組みを作っておくと誤爆だけでなく、誹謗中傷に接触するかどうかも確認できます。 企業の場合、誤爆がネット炎上につながりやすいため、最も基本的な対策としてダブルチェックが有効です。

【構成と投稿を別人物に設定】

誤爆によるネット炎上を回避するためにも「構成と投稿を別人物に設定」することをおすすめします。 具体的には、メッセージや投稿内容を「構成する者」と、その投稿内容を実際に「投稿する者」の二人体制が理想的です。

【端末を分ける】

誤爆による炎上リスク管理として「端末を分ける」ことも効果的です。具体的には、個人で使用しているスマートフォンと、企業用アカウント専用のスマートフォンを完全に区別することです。 コストが増加することや、担当者は2台持ちというストレスが生じるかもしれませんが、高い確率で誤爆を防ぐことが可能になるでしょう。

まとめ

誤爆とは、誤った相手にメッセージを送ってしまう行為です。LINEやツイッターなどの企業アカウントで誤爆が起きるとネット炎上や思わぬ風評被害を招いてしまう危険性があります。 誤爆は100%防ぐことはできないと認識したうえで「誤爆防止対策」や「誤爆が起きた場合の対処法」をあらかじめ決めておくことが大切です。