特集レポート

SNSマーケティング活用と炎上リスク 予防のための対策は?

2022年01月11日


今や、SNSは大きな拡散力を誇り、企業のマーケティング活用には欠かせない存在です。SNSを通じた情報発信を広く行う企業やブランドは、炎上リスクを想定する必要があります。そこで今回は、SNSのマーケティング活用での炎上リスク、そして炎上してしまった後の対処法や予防のための組織作りについて解説します。

SNSマーケティングにおける炎上リスク

炎上とは、従業員や企業としての対応、発信したコンテンツ、コメント対応などについて、ネット上のユーザーから批判を受けたり、そうしたネガティブな事柄が一般的に広がって企業イメージを落としたりする事象を指します。

こうした炎上は、どの企業にも起こりうるトラブルです。

なぜSNSの炎上が起きるのか

予防・対策を立てるためにも、まずはSNSにおける炎上の原因を知っておきましょう。

1.企業側のユーザー対応に問題がある

例えば企業のSNSアカウントに、ユーザーからクレームやネガティブな内容が投稿された際、企業の運用担当者の行った何らかの対応に対して、ユーザーが「気分を害するような返信や対応を受けた」などと投稿することで炎上することがあります。

2.コンテンツの視点に問題がある

企業がSNSに投稿した内容や、マーケティングで制作した動画などに、差別や政治、性的などの視点が含まれていると批判され、炎上することがあります。

3.企業の宣伝活動に問題がある

SNS上で、宣伝行為なのにそうでないように見せかけるステルスマーケティング、やらせと認識されるような対応いった、世間から批判されやすい行動をとることで、炎上に発展します。

炎上が起きた場合の対処法

やってはいけないこと、やるべきことをそれぞれご紹介します。

炎上した後にやってはいけないこと

批判や意見を隠す、なかったことにするといった無責任な行動は、さらに炎上を拡大させてしまう原因となります。企業として誠実な態度で対処する必要があります。

炎上した後にやるべきこと

1.公式コメントを出す

まず、炎上している状況や規模、内容をできるだけ正確に把握したうえで、早急に公式のお詫びなどを出します。もし炎上の規模が大きい場合は、記者会見の必要も出てきます。特に炎上後、初めてのコメントでは、炎上の原因となったことを正確に把握して問題を真摯に受け止めていること、そして責任の在り処を明確にして、誠意を見せることが最も重要なことす。

2.第2のコメントで今後の対応を示す

その後、社内で十分、対応方針を検討して決めた後は、具体的な対応や継続対応の意図を伝えるためのコメントを改めて公に出すのが一般的です。また、改めてお詫びすることも重要です。

SNSマーケティングで炎上しないための組織作り

SNSマーケティングを実施していくにあたり、炎上を未然に防ぐための組織作りが重要になります。

組織作りとは、炎上が起きにくく、万が一、炎上が起きたとしても、組織として適切かつ最速の対応ができ、できるかぎり素早く沈静化するための仕組み作りのことを指します。

具体的には、次のことが考えられます。

1.SNS運用ガイドラインを決めておく

あらかじめ炎上を起こさないための運用ルールガイドラインを定めて、それをもとに運用していくことも重要です。その重要性とガイドラインの内容は次の段落で解説します。

2.炎上が起こったときの対応方法を決めておく

あらかじめ炎上が起こった場合を想定し、炎上のパターン別に対応方法を設定します。全社的に取り組むことが欠かせません。炎上を発見したら、どの部署が対応し、責任者は誰なのか、経営層への伝達ルート、全社へどのように通達するのかなどのフローと担当部署、担当者を定めます。

3.SNSのモニタリングを実施する

SNSでの問題投稿や火種となりそうな投稿を事前にキャッチするために、ネットモニタリングサービスを利用した監視が有効です。自社名や商品・サービス名などを登録した後は、24時間365日にわたって自動的に情報を収集します。投稿の急増や危険ワードの登場など、あらかじめ条件を設定し、緊急時のアラートメールを受け取ることも可能です。

4.普段のSNS投稿に対するエンゲージメントを増やす

普段からエンゲージメントを重視して、消費者に良いイメージを持ってもらい、満足度を高める対応を徹底するなどしてファンを増やしていきましょう。エンゲージメントを育む努力を続けていれば、たとえ炎上が起きたとしても、真摯な対応が伝わりやすく、沈静化にむけた良い影響が生まれやすくなります。

SNS運用におけるガイドラインの重要性

SNS運用ガイドラインを策定し、炎上を含めたトラブルを未然に防ぎます。

その内容は、例えば、次のことが挙げられます。

  • 責任者と管理者、投稿担当者などの割り振り
  • 投稿担当のキャラクターや名前
  • 更新の頻度、タイミング
  • 投稿方針、ジャンル
  • 投稿内容
  • 他の自社運営メディアとの連携
  • 投稿してはいけない内容や禁止語句の設定
  • コメント返信のルール
  • ユーザー投稿の削除基準
  • お問い合わせの対応フロー
  • 効果検証の方法・内容・スケジュール
  • 定期的なSNSやネット上における評判リサーチの方法

SNSマーケティング実施時や自社の公式アカウントでの炎上を防ぐためには、責任者と管理者の設定を前提として、特に投稿コンテンツ内容やコメント返信、お問い合わせ対応などのルールを、リスクも踏まえて策定しておくことが重要です。

まとめ

SNSマーケティングは、このSNS時代において効果的であり、もはやマーケティングに欠かせないものです。しかしSNSを運用する以上、炎上リスクはつきまといます。いかに日頃から炎上リスクを予防、対策していくかが、あらゆる企業に求められています。万が一、炎上が起きた際にも、あらかじめ適切な対応方法の準備とフロー、およびガイドラインを策定しておくのをおすすめします。